131-140











(131)

『ボク、略し飽きたハンニャーマン。
 手下Dの問いに、頭をフル回転させ…
 …ふと思い出したのサ。

「…『3時間待つ。
 3時間待たないと戻らない』
……」

「やっぱり聞いてるじゃないか。
 …ハンニャーマン。これはだと思え。
 信じられないめちゃくちゃな事が起きても、
 3時間待てば元の世界に戻れる」

「じゃ、じゃあ、3時間待てば、
 全部元通りになるんですね!」
「…あのな。これは夢に似てるが夢ではない
 ここで起きた事は、
 …元の世界でも起きている。
 物が壊れれば物は壊れ
 死ねば……元の世界でも死んでいる
 違うのは…元の世界ではありえない
 めちゃくちゃな事が起きるってだけだ」

「…………」

 ……軽い目眩がするのサ』













(132)

『ボク、何も思いつかないハンニャーマン。
 倒れそうになるのをグッと我慢していると、
 疑問が1つ出てきたのサ。

「あの…、とても不思議なんですが、
 どうして手下Dは親切に教えてくれるんです…?
 貴方の方が危険なはずなのに…」
「…それは、感謝の気持ちで…」
「感謝…?」

「そうだ。お前がここにいることで、
 祭りのターゲットが移ったから…」


「えっ……!?」


 手下Dにそう言われた途端、
 …背後から嫌な気配がしたのサ』















(133)

『ボク、生きるのに必死ハンニャーマン。
 命の危機を感じ、素早く振り返ると
 思っていた通りの目玉がいたのサ。

「ヒッヒィ!また出たあああ!
 待って待って4号さん!これ以上ボクを
 攻撃したって…!」


 ボクは全力で止めようとしたけど…、

「あっ…!」

 悪魔の手が容赦なく襲ってきたのサ!』

















(134)

『ボク、予想外なハンニャーマン。
 悪魔の手が、思いっきりかすめたのサ。

 かすめて、取れたのサ…。

 何がって………大切な物が…サ……』













(135)

『ボク、更に予想外ハンニャーマン。
 大切な面が、悪魔目玉によって外れた
 ………はずだった。
 ボクは、気づくと布団の中にいたのサ…。

「……あれ?えっ…?これは……。
 あっ!もしかして今までの……
 …じゃ、ないか。
 思いっきり壁壊れてるし…

(じゃあ、元の世界に戻った…?
 でも、だったら何で布団の中に…)

「やっと起きたカ」
「!」


 混乱してると、今、最も頼れる人の声が
 聞こえてきたのサ』














(136)

『ボク、怪人を見た!ハンニャーマン。
 体を起こしながら声の方を見ると、
 そこにはボス・ひょっとことがいたのサ。

「ひょーさ…………。
 あの、後ろの人は誰です…?」
「手下Dダ」
「…何でそんなに包帯だらけ何です?
 やっぱり…4号さんが…?」
「ハンニャーマン!お前…覚えてないのか!」
「えっ…?何を…」
「これの原因は…
 半分お前にあるんだぞ!

「ええっ!?僕が…!?何かの間違いじゃ…」
「…自分の手を見てミロ」

 ………手?』












(137)

『ボク、怪人になった!ハンニャーマン。
 手下Dに言われた通り、自分の手を見ていると
 ……包帯だらけだったのサ。

「わっ!
 な、何なんですか!?これ!」
「まだトボケるのか…?
 ハンニャーマンらしくないな」

「いや、らしくもないも本当に判らない…」

「その手の傷は、
 お前と4号の戦いの痕だ」


「…はい?」
「俺はその戦いに巻き込まれたんだ。
 あれ程酷い戦いは…」

「ちょ、ちょっと待って下さい!!
 ボクがあの人と戦えるわけが…」
「…………」
「…………本当にボクが?」


 手下Dの本気の目が怖いのサ。
 …顔隠れてるから見えないけど』













(138)

『ボク、勝手に動くハンニャーマン。
 手下Dの見えない視線に圧力を感じ、
 汗がだらだらと流れてきたのサ。

「あの、ボクは本当に覚えてなくて…、
 それに、あれは変な世界だったから……」
「…ハンニャーマン。俺ははっきりと
 見たんだ。お前のめ………

 ……あっ!」


 手下Dが言い終わる前に……、
 ボクは思いっきり逃げたのサ。

 背後で、手下Dの叫び声が響いてるけど、
 …ひょーさんは全く無反応なのサ。
 ……多分、気遣いじゃなくて
 興味がないだけなのサ…うん…』

















(139)


『捜さないで下さい ハンニャーマン』


「…!?
 ボス…ボスー!
 ハンニャーマンが変な手紙をー!」


















(140)

前回からしばらく時間が空いたので予告を…。