111-120










(111)

『ボク、知りたくなかったハンニャーマン。
 最悪な予想をしつつ電話をかけたのサ。
 ヤケに嫌な緊張をしたのサ…。

「もしもし!………いや!
 ハンニャーマンですけど!」
「今、本名を言いそうになったな…。
 手下Aですけど何の用です?」

「あの…、1号さんが来ていて、4号さんが
 旦那祭りをしてると言ってるんですが…」

「…ボス!!今、ハンニャーマンから奴の
 情報……って、何ですかその赤い紙!」


「………」
「…『あっ』って何ですか!ちょ…!
 何で日にちと時間を確認したんですか!」

「…………」
「ま、待ってください!ボス!
 何で諦め気味で出かけるんですかぁ!!


 ……電話しなきゃよかったのサ』















(112)

髪おろし1号でお休み。









(113)

『ボク、嫌な脂汗ハンニャーマン。
 受話器を置くのも忘れて、グルグルと
 本気で悩んでいるのサ。

「どうしよう…。このまま聞かなかった
 振りをするべきか…。でも、そんな
 冷酷な事をするなんて…」
「はんにゃー。何をやっても無駄だぞ」
「な、何でですか」
「あれを見ろ。だ」

「…………。
 …………ですね」


 …窓を見ると、右隅にべったりと
 赤い液体がついてたのサ……。
 向こうからホラーがやって来たのサ…』









(114)

『ボク、不思議現象ハンニャーマン。
 窓のを見て固まって……。本気でどう
 しようか考えると、いきなりバチッ
 暗くなったのサ。

「!?」
「おー。停電だな」
「てててて停電だけど…おかしいのサ!」
「何がだ?」

「今、思いっきりなのサ!
 何でこんなに暗くなるのサ!!」

「…よくあることだろ?」
「ないのサ!!」


 ひひひ、膝がガクガクしてきたのサ…』









(115)

『ボク、お先真っ暗ハンニャーマン。
 闇の中、黙っているのも怖いだけなので、
 体験者1号に聞いてみたのサ。

「い、1号さん。さっきコレがよくある
 事だって言っていたけど、
 こういう時はどうするんです…?」
3時間待つ
「……………………はい?」
「3時間待たないと戻らないのだ」
「ま、待たないと戻らないって…!
 この状態で3時間は…」

 ガチャガチャガチャガチャガチャ……

「……この状態で……3時間は……」


 …ドアノブを回す音が…響いて来たのサ。
 これで…待つの……?』










(116)

『ボク、最強孤独ハンニャーマン。
 ガチャガチャと不気味に響くドアノブの
 音を呆然と聞いていたら…、いきなり音が
 消え去って静かになったのサ。

「……止まりました、ね?
 …も、もう!1号さん!3時間待つだ
 なんて脅しておいて……………。

 ………あれ?

 …い………1号さん?」


 …いつの間にか1号の姿が消えて……。
 え…?これって……?』











(117)

『ボク、ホラー体験中ハンニャーマン。
 誰もいない暗闇で、ドキドキしながら
 とりあえず呼びかけてみたのサ。

「いち、1号さーん……。
 ちょ……まさか、逃げたんですか?
 こんな暗さで…………!!


 ………………よく見えないけど、
 感触だけははっきり判ったのサ。

 …誰かがを掴んで来たのサ。

 ……………だよね……?』











(118)

『ボク、未だに命の危機ハンニャーマン。
 首を掴んでくる手に固まっていると、
 相手の顔がうっすら見えてきたのサ。
 ……デカイ目玉がいたのサ。

めだっ……4号さん……?」
「……よう。
 今、目玉の親父と言おうとしただろ?」

「…………気のせいです」


 勘がいい目玉の親父なのサ……。

 ……いや、それより……。
 目玉の親父が返り血まみれに見えるのは
 気のせいだよ……ね?』









(119)

『ボク、絞める手が冷たいハンニャーマン。
 目玉親父の握力に本気の恐怖を感じつつも
 勇気を振り絞って聞いてみたのサ。

「あの…4号さん。どうしてここに…?
 わざわざこんな暗闇まで作って…」
「…勘違いしてないか?
 私は暗闇を作ったりはしていない

「…はい?
 ……あの、じゃあ1号さんは?」

「…………あぁ。多分、あっちの世界だ」

「…あっちの世界?」


 ……何か微妙に会話がおかしい気が。
 テンションも物凄く低いし…。
 いつもとは違う怖さがあるのサ…』











(120)

『ボク、川が見えてきたハンニャーマン。
 目玉が完全に黙り込み、がどんどん
 強くなってきたのサ。

「……………っ!」

 …何か本気でヤバイのサ…!
 目がマジ…いや、顔は覆面で隠れてる
 けど、覆面の目がマジだからきっと……。

 …本当に…ヤバイのサ………』