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(71) 1回休み。 振り向く変態。 | |
(72) 『ひょーさんもボクも疲れ始めたけど、 …まだ帰れそうにないのサ。 「…言いたい事はそれだけカ?」 「あとは愛の話だけだ」 「…帰ル」 「おいおい。冗談言うな。 お前がわざわざここまで来たって事は 私とじっくり話すためだろう?」 「違ウ。手下に頼まれたからダ。 …家の周りに罠を仕掛けたのは 貴様ダロウ?」 「……よく気づいたな!」 「貴様の話を断る度に罠が増えていれば 誰でも気ヅク。 …手下が全員被害を受けて困ってイル」 手下全員…。一体どれだけの罠が…』 | ||
(73) 『本当に怒っているのか、ひょーさんは 不機嫌そうに言ったのサ。 「…4号。俺に何をしても構ワン。 だが、手下に手を出すのだけは…許サン」 「…自分を犠牲にし、手下を庇うのか? フフ。お前は相変わらず自然に目立つ 言動をするな……。…だが、それは お前を襲っていいって事になるぞ!!」 ガシッ 「……変な掴み方をするナ。 …嫌な含みがあるようにしか思エン…」 「安心しろ。そっちの意味だけしかない」 「…………」 ……もしかして、これって…… ある意味、ひょーさんピンチ……?』 | ||
(74) 『あまりにも変な雰囲気に耐え切れず、 ボクはいつの間にか飛び出していたのサ。 「ちょっと待ったああああ! そっちの方向に進まれると大変なのサ!」 「………ハンニャーマン。何故ここに…」 「…あっ!いや、偶然通りかかっただけで 決して覗いてたわけじゃ…。それに今のも ボクの意思で言ったわけじゃ…」 「…君が噂のハンニャーか。 ……私の愛の時間を邪魔したな」 「えぇ!?べ、べつに邪魔なんて…」 「さては、私が夜這いが大得意だと知って の行動か…?」 「知りませんよ!大体今お昼ですよ!? …ひょーさん!ボーとしてないで助けて 下さい!」 「…お前は私の手下ではないダロウ?」 「何でそんなに手下思いなのサ…!」 何故かボクがピンチになってるのサ…。 …4号さんから殺気を感じるのサ…』 | ||
(75) 『4号のあまりの迫力に動揺していたら、 ジャラララと長い物が飛んできたのサ! 「ひぎゃっー!く、鎖…!?」 「ハンニャー…。覚悟しろ…。 愛の邪魔をした罪は重いぞ…」 「ええぇぇぇ!?あの…ちょっと待って! この鎖一体何処から…!?」 「口からだ」 「く…!?えぇ!?どっちの口!? ボクとしては覆面の方がいい…… …って、本気で絞まって…!!!」 ヤバイのサ…!この人本気なのサ…!』 | ||
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(76) 『ボクはある違和感に気づいたのサ。 ひょーさんが…いない事に…。 「ひょーさぁぁぁん!! またボクを囮にしてえええぇぇぇ!」 本当に何考えてるのサ!あの人!』 | |
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(77) 『ボクを拘束し、4号は誰もいない方を 指差したのさ。 「また逃げたな!ひょっとこ! …フッ。まあ、今回は逃がしてやる。 だが我々…いや私は諦めないぞ。 貴様を縛り上げるのは私だ! 愛!愛は勝つ!!」 「…『愛は勝つ』は止めた方が…」 いや、それよりこの鎖解いてほしいのサ。 ちょっと…骨が軋んで…』 | |
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(78) 『鎖を解かず帰っていった4号を呆然と 見ていると、すぐ近くの壁が動いたのサ。 …よく見ると、壁と同じ柄の紙を持った ボス・ひょっとこだったのサ。 「ひ、ひょーさん…」 「行ったカ」 「…何なんですか。その忍者みたいな 隠れ方…。………………いや! それよりまたボクを囮に…」 「最初に覗いていたのは誰ダ?」 「………」 …何も言い返せないのサ』 | |
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(79) 『…しばらく妙な沈黙が流れた後、 ひょーさんは珍しくため息をついたのサ。 「4号が何を考えてるのか…未だに判ラン」 「ひょーさん…。そのニブさはどうにか した方がいいですよ。あれはどう見ても ひょーさんが好きとしか…」 「勘違いをするナ。4号が私に好意を 持つことは絶対にナイ」 「…?何でですか?」 「あいつは…私の手下の妻ダ」 「……………えっ?」 …ちょっと頭が回らないんですが…。 …………昼ドラ?』 | |
(80) 『混乱する頭の中、ボクは何とか声を 搾り出して聞いたのサ。 「手下の妻って、……えええええ!? それ本当に……あ!もう離婚したとか!」 「まだダ。 …………詳しい話は本人から聞ケ。 ……4号には関りたくナイ」 「……あー。うん…。…じゃあ、どの手下 かだけ教えて欲しいんですが…」 「…AとDだ」 「…………はい?2人って…」 「帰ル」 「ぬぎゃ!?ちょ…ひょーさん! せめて鎖解いていって…!」 このままで帰ると今までの中で 最悪な方向に目立つのサ…!』 |