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(21)

『ボク、絶好買出し中ハンニャーマン。
 今日は大量に買い物しに行った帰り、
 見覚えのある背中を見たのサ。

「……あっ!!ひょーさん手下A!」
「!!!」


 行方不明だったボス・ひょっとこの
 手下を見て思わず叫んだのサ。
 そしたら手下は逃げ出したのサ。
 待て!止まらないと納豆を投げるのサ!』










(22)

『ボク、手下Aを捕獲したハンニャーマン。
 逃げた理由を聞こうとしたら、めそめそと
 泣く声が聞こえてきたのサ。

「帰れません…。私はまだ帰れません…。
 無様に捕まり、1週間も雑用をしていた
 私がボスの所にノコノコ帰るなんて…」
「…ひょーさん心配してると思うけど」

「ボスは何もかもお見通しです。
 その証拠に、この前腹ペコだった私に
 ブリ大根と柿の差し入れを…」


それはボクの
 冷蔵庫にあった奴なのサ!

 ひょーさんも何で連れ戻さないのサ!!」


 …とりあえず手下Aを強制連行したのサ。
 別に仲間に慕われてて羨ましい…
 思ったわけじゃないのサ!』










(23)

 『ボク、強制連行終了ハンニャーマン。
 手下Aをボス・ひょっとこに会わせたけど、
 …ボス・ひょっとこは怒らなかったのサ。

「…もう平気カ?」
「え…?」
「…あのまま連れ戻しても、気に病むと
 思い、連れ戻さなかっタ。
 もう大丈夫なら…帰って来い

「…ボス!そんなに私の事を考えて…!」

「うん。だからブリ大根お前が作レ
「えぇ!?」


 …絶対自分で料理したくなかっただけだ。

 アンタは昔からそうなのサ…!』













(24)

『ボク、再度買い物中ハンニャーマン。
 やっと食料を大量に買おうとスーパーに
 向かったのサ。でも……

 財布に21円しか入ってなかったのサ!

 …しばらく断食の予感がするのサ』










(25)

『ボク、断食1日目ハンニャーマン。
 今日はあまりの空腹に、家一歩手前で
 行き倒れしていたら……。
 大家さんに会ってしまったのサ…!

「なまは…!いや、大家さん…!」
「何してるの?はんちゃん」
「あの…実は食べる物がなくて…」

「あら?そうなの。だったら、
 おばちゃんの代わりに掃除して頂戴。
 お煎餅1枚上げるから」


「…煎餅1枚……」

 …目が怖くて断れなかったのサ。
 更にひもじくなったのサ…』










(26)

『ボク、断食2日目ハンニャーマン。
 何か食べ物がないかとフラフラと歩いて
 いたら、ボス・ひょっとこの手下に
 会ったのサ……。

「ヒッ!?は、ハンニャーマン!
 どうしたんです!?顔が痩けて…!
 って、何で面なのに痩けるんですか!」

「…食べる物が…ないのサ」

「えっ。あ……。そうだ!ちょうど今、
 煎餅を持っているんですが…」


「……何故……煎餅……」


 …一応、…貰ったのサ。
 敵とか関係ないのサ。人命優先なのサ…』











(27)

 『ボク、断食最終日ハンニャーマン。
 明日お金が手に入るから、煎餅を食べつつ
 ひたすら耐えよう!
 …と、してたら大家さんからの手紙が…。

「はんちゃんの部屋の水道管が
 『原因不明の破裂』をしたので、
 しばらく水が止まります。大家より」


 ……………。
 …一瞬、死を覚悟したのサ











(28)

 『ボク、餓死寸前ハンニャーマン。
 今日は綺麗な川の幻を見ながら床に
 丸まっていたら、ボス・ひょっとこが
 何かを持って現れたのサ。

「…手下から食べ物がないとキイタ。
 食べ物ダ。受ケ取レ。」

「…ふ、ふふふふふふふ。同情ですか?
 残念ですが受け取れません…。
 ボクと貴方は敵なんです。
 いくらボクが死に掛けようと敵の助けを
 借りることは出来ません…」

「…ソウカ。本当に残念ダナ。
 松坂牛とアワビの
 ステーキセット
なのに」


「あああああああ!ごごごごめんなさい!
 今のは嘘!だから待ってお願いなのサ!」


 …人の好意を無駄にしちゃいけないと
 悟ったのサ。
 食べ物には…逆らえないのサ…』












(29)

『ボク、復活戦士ハンニャーマン。
 昨日のステーキで全回復をしたので、
 今日はホクホクと買い物に行ったのサ。

 心配なのは止まったままの水道…。

 昨日は用意周到なボス・ひょっとこが
 水のペットボトルを持ってきていた
 から助かったけど…。

 ……本当に水道管破裂なのかな?
 修理してる感じもしないし……まさか…』











(30)

 『ボク、荷物が重いハンニャーマン。
 水道の事をモンモンと考えつつ、ふと
 公園の方を見たのサ。そしたら…。

 数人の子供に囲まれている
 ボス・ひょっとこがいたのサ……!


 何でこんな所にー!?いや、それより
 面の危機が……………。

 …ん?ボス・ひょっとこの場合は
 危機じゃないのかな…?あれ?』