01-10









(11)

『ボク、風邪治りかけハンニャーマン。
 今日は大家さんに会ったのサ。

「はんちゃん。
 おばちゃんお昼寝したいから
 代わりに掃除して頂戴」

「あの…ボク、風邪なんですけど…」

「はんちゃん。そんな事言っちゃ駄目よ。
 亡くなったお父さんが聞いたら悲しむわ。
 せっかくケンシロウって名前をつけて…」


本名言わないでサぁぁぁ!
 それにお父ちゃん死んでないのサぁ!」


 …結局寒い中掃除したのサ。
 何か背中がゾクゾクするのサ…』











(12)

『ボク、風邪が治ったハンニャーマン。
 今日は意外な人物から電話がかかって
 来たのサ。

「もしもし。こちらハンニャーマン」
「…ボス・ひょっとこダ。実はお願いが…」
「嫌です。
 ひょーさん。ボクと貴方は敵同士だと…」
「実は緊急事態にナッタ。タスケロ」
(…無視されたのサ)

「時間ナイ。手下のひょっとこが…
 ナマハゲに捕まったノダ


 ―続くのサ』











(13)

 『前回の続きなのサ。

「ナマハゲに捕まった?
 それはいつも悪い事をしているから…」

「奴は本当のナマハゲではナイ。
 何故なら奴の出身はナゴヤだからダ」

「…もしや知り合いですか?
 と、とにかくボクは助けませ…」

 ゴトッ

「…………ひょーさんごめん。
 ボクも捕まりそうなのサ……」

 また続くのサ』













(14)

『また前回の続きなのさ。

「ちょちょちょっとまってえええ!
 家の中に入る前に話し合いして……ん?」

(……意外に小さい…というか…あれ?

 あの玉ねぎヘアーは……大家さん?)

「えーと…あれ?どうしよう。あれ?」

 …あれ?続くのサ?あれ?』












(15)

『またまた長々と続きなのサ。

「…初めまして。ミスターハンニャーマン」

「えっ?あっ!はは初めまして…?」
(声が完全に大家さんなんだけど…)

「我々は愛のナマハゲーラ。
 そして我はナマハゲーラ44号
 そして今日はミスターハンに話がある」

「……色々ツッコミ入れたいんですけど、
 とりあえずミスターハンだけは止めて…」

「ミスターハン。我々はボス・ひょっとこの
 命を狙っている。そしてミスターハンも
 奴の首を狙っている。
 …我々とミスターハンはライバルだ」

「…………あの、ボクはボスひょっとことは
 敵同士ですけど命まで狙っては…」

「これは宣戦布告だ。ミスターハン。
 どっちが先に獲るか勝負だ」

「いやちょっと色々待って!そんな事言い
 残して行かないで欲しいのサ!
 それにひょっとこの手下は…!」

「…彼は我々の心の中に……では!」

「………ええええええちょちょちょ!
 さっきより待って下さいなのサあああ!
 ひょーさんに何て言えばいいのサああ!


 物騒になりつつ続く…のサ?』














(16)

『ボク、引きこもりハンニャーマン。
 昨日の衝撃事件のせいでなかなか外に
 出れなくなってるのサ。

 出たら大家さんに会ってしまうのサ…。
 ボス・ひょっとこにも、まだ説明して
 ない……というより出来ないのサ…。

 それでもボクは行かなくてはならない…!
 今日の任務は「外に出ること」なのサ!」









(17)

 『ボク、心臓爆裂ハンニャーマン。
 やっと外に出て、大家さんに会わないよう
 慎重に移動していたら、気配のない人が
 後ろから現れたのサ。

「…オイ」
うひゃああー!…あっ!ひょーさん!」
「何シテル」
「そ、それはボクの台詞なのサ!何でここに
 いるんです!」
「ナマハゲから手下を取り戻しにキタ」
「ええっ!?手下さん生きてるんですか!」

「……我々の心の中で生きてイル」

「……生きてるんですよね………?」


 また続く…なのサ!』











(18)

 『ボク、ボス・ひょっとこの後ろを戸惑い
 ながら付いて行くハンニャーマン。
 どう考えても方向が大家さんの方なのサ。

「…ひょーさん。
 あのナマハゲさんとは一体どういう関係
 なんですか…?」
「アイツは昔からの知り合いで、敵ダ」
「昔からですか…」

「アァ。奴は小学校の時の同級生ダ

(……絶対ウソなのサ!!)


 嘘のまま続くのサ』









(19)

『ボク、いきなり大きな布に道を塞がれた
 ハンニャーマン。隣はボス・ひょっとこ。
 その布にはこんな事が書いてあったのサ。

「ボス・ひょっとこへ。
 今日は大切な大切な用事があるの。
 ダンディーな貴方に会えないのは寂しい
 けど、対決はお・あ・ず・け☆
 また戦える日を楽しみにしてるわん。
    ―愛☆のナマハゲーラ 44号」


「………文章になると性格が変わる人は
 いるけど……これは……」
「大切な用事…。今日は何かあるノカ?」

「……!今日は大安売りの日なのサ!」
「………」

 …黙って帰って行ったボス・ひょっとこ。
 ………アレ?手下は…?』














(20)

 『ボク、空腹戦士ハンニャーマン。
 今日は某事件を忘れてゆっくりしよう…
 としたら……新たな事件が発生したのサ!

 冷蔵庫の中身が全くない…!
 代わりに置手紙があったのサ。

「食べ物は頂ク ―ボス・ひょっとこ」

 …ひょーさん何やってるのサ!』